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2023/01/21 更新
Category;ピックアップレポート
最近増えている葬儀の形式のひとつに「家族葬」があります。
ざっくりと説明してしまうと、家族葬とは、参列者の人数を減らし近親者のみで行う葬儀のこと。会葬者の接待をする手間がかからず、ゆっくり故人を偲べるなどの理由から、家族葬を選ぶ人が増えています。もはやスタンダードになりつつありますね。
ただその程度の知識だけで本当に良いのでしょうか。「費用が安くすみそう」「メリットたくさんあるよね」「大がかりな葬儀は大変」という知識だけでは、いざという時に困ることが多々あります。
そういったトラブルが少しでも避けられるよう、今回、八潮市垳にあります葬儀施設「家族葬邸宅 団欒」を運営されている「株式会社セレモニー藤波」の藤波達也代表に、施設のお話しと、この「家族葬」についてお話を伺ってきました。
藤波さんは、1996年にセレモニー藤波を創業。本業の他、市内で商工会役員や、さまざまな形で地域貢献をされています。
家族葬専用の式場「家族葬邸宅 団欒」
こちらの式場は、八潮市垳地区。新葛西橋の角にあります。
従来、市内で葬儀をお願いする場合、一般的には近隣の「谷塚斎場」などの他式場をお借りして式を行うのですが、やはりお借りする手前、融通が利かないことや、なによりもっと残された方々が故人とのお別れを温かみのある時間にしてあげたいという想いから、市内で葬儀のお仕事を営まれていました株式会社セレモニー藤波が、2016年に「家族葬邸宅 団欒」という少人数でのご葬儀や家族葬に適した自社式場としてオープンしました。
「家族葬邸宅 団欒」は、邸宅の名の通りご自宅での一家団欒のような気持ちで大切なお別れの時間をお過ごしいただけるよう、ご自宅のリビングをイメージした施設。およぞ50名程度までの人数に対応しており、家族葬だけでなく、親戚やご友人、仕事関係の方の会葬にも対応が可能。
一日一組限定での葬儀としており、リラックスした空間でのくつろいだ時間が共有できます。
「家族葬」とは実際どういうものなのか?
ご存じのように、葬儀の形式やあり方について、近年大きく変わっています。
■少子化高齢化による参列者のの減少(葬儀の小規模化)
■ご近所との付き合いの減少(地域コミュニティの希薄化)
■進みが遅い、故人と別れを惜しむ時間や余裕がないといった葬儀に対する不満や反発
■儀式や儀礼にとらわれないような、故人の遺志を尊重した葬儀の増加(個性化)
などがあげられます。
そのような中、「故人を中心にして、家族や親しい人と少人数で行なう葬儀」とする「家族葬」の選択が増えています。家族・親族・ごく親しい知人などで送る式もあれば、名前の通り家族のみで送る式もあります。また、昨今のコロナ禍の事情もあり、なお家族葬を選択する方はぐっと増えています。
「家族葬」を選択される方の傾向としては以下の通り、このような方々に家族葬は求められています。
・家族と親類のごく親しい知人だけ気兼ねなくお葬式を執り行いたい。
・義理や付き合いのお葬式にはしたくない。
・故人と家族のみで落ち着いた場所でゆっくりとお別れをしたい。
・少人数で故人と向き合えて故人を偲べるお葬式にしたい。
・家族だけでの少ない人数でも利用できる式場を借りてお葬式をしたい。
・親類が遠方で高齢者も多く、会葬に来ていただくのが恐縮なので家族だけで送り出してあげたい。
「家族葬」のメリットとデメリット
[家族葬のメリット]
やはり家族葬のメリットは故人とのお別れを静かに穏やかに行うことができることです。従来の葬儀には「地域や社会性」などの意味合いが強かったですが、最近では個人が主催者となって執り行う一「個人葬」が一般的。
以前は訃報が知らない間に色々なところに伝わり、故人とは関係のない方まで「お付き合い」ということで参列されていましたが、「家族葬」では故人の遺志や家族の想いを第一に、「この範囲の方たちまで連絡しよう」という判断が可能となります。
・身内だけでお別れの時を過ごせる。
・通夜や葬儀の進行に気を使わない。
・形式にとらわれない葬儀が可能。
・体裁を気にせず予算にあった葬儀ができる。
・飲食費など、接待関係の費用を抑制できる。
[家族葬のデメリット]
昨今認知されている「家族葬」ではあるものの、やはりデメリットはあります。
葬儀は故人と家族とのお別れと共に、故人に繋がる様々な方々とのお別れでもありますから、家族葬に際して家族や親族などの参列の方に家族葬を行う旨の説明と理解が必要です。時には世間体など気にする方や、家族葬を少し寂しく感がられる方もいらっしゃるようです。そういった不満やしこりが残るような可能性はあります。
また知人の方等「知らせていただけなかった」などの不満や、葬儀後に多くの方がお悔やみにいらっしゃるというようなこともあり、その対応に追われるといったことも多々あります。
こういったことのないよう、逝去の旨の連絡や、家族葬実施の旨の連絡を行なうことが必要です。説得の難しいご親戚など、早めに相談することもトラブル防止につながります。
・家族葬の旨を明確にしないと予想外の会葬者が訪れる。
・申請付き合いにヒビが生じる恐れがある。
・長期的に自宅に弔問者が訪れる可能性がある。
・連絡しなかった方から「なぜ教えてくれなかったのか」と言われる。
・お香典が少ない
「家族葬」にもいろいろな葬儀の方法があります。
通夜/告別式 | 一般的に葬儀の流れとして、「お通夜」と「告別式」を執り行う式です。 |
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一日葬 | 「お通夜」を行なわず、告別式と火葬を1日で執り行う式です。 |
直葬 | 「お通夜」「告別式」を執り行わず、お別れの後、出棺、火葬・納骨のみ行い、精進落とし等もおこないません。 |
最近では「通夜」を行なわず、一日葬を選択される方が大半なんだそうです。ただこの辺りはお家が檀家であったりすると、お寺の方から指摘があるかもしれません。
やはり気になる費用のこと/事前相談することが大事
当然気になる「葬儀費用」。こちらでは具体的な費用については間違いがあるかもしれませんので、特に申し上げませんのでご容赦ください。
ネットで調べたり、最近ではCMでもやっていますが、「家族葬」で格安に葬儀が可能とうたっている業者さんが多々見受けられます。
実際、費用を抑えることは可能です。当然格安とするからには、様々な部分のコストを減らして実施されます。それこそ前述の直葬などを選択すれば、祭壇の用意も不要となります。
ただ、あまり広告等には細かな部分が説明がなされておらず、実際に執り行うと、例えば非常に小さな祭壇で、お花等の装飾が全くないものや、お清めの食事が全くない等といった、非常に貧相な式にもなりかねません。豪華がいいとは申しませんし、「それでも格安に済ませたい」という方であれば、割り切って執り行うのもありかとは思います。ただ、ネットででてくる格安の家族葬業者さんの掲載している写真のようなキレイな祭壇は期待しないほうがいいかもしれません。
格安に実施される業者さんを否定は致しませんが、故人を送るにあたっては、後から決して「残念な式だった」とは言われないようなお葬式にしてあげていただきたいと切に願います。
そういったことのないよう、おススメしたいので「事前相談」です。
「葬儀の事前準備なんて縁起でもない」と言われる方も多々いらっしゃると思いますが、知識として事前に持っておくというのは非常に大事だと思います。これは藤波代表も強くおっしゃられていましたが、故人がなくなってから、葬儀までの間、色々な準備が必要なんですね。葬儀の日程、弔問客の数、位牌の手配、遺影の手配などなど。慌てることなく、ある程度の準備または知識があれば、非常にスムーズに穏やかな挙式が執り行えます。
しかも突然高い費用を請求されたら、それは驚くでしょう。やはり事前に「どの程度の費用がかかるのか」「どのような準備が必要なのか」ということは調べておいて損はないと思います。ただ、ある程度キチンとした葬儀を行うとなれば、家族葬であれ、ある程度の費用は発生すると思っておいた方がよろしいかと。
恐らく大半の方は、故人が亡くなられてから、葬儀の会社さん探しなどをスタートさせると思うのですが、いざそうなった際にすぐに連絡ができるような会社さんをみつけておくべきかなと、今日お話しを伺って納得できました。
とはいえ、亡くなってもいないのに葬儀の相談というのは、いささか敷居も高いと思われるのも十分理解できます。よく町会などで「出前講座」として葬儀の事前相談を開催されることもたまにありますので、もしもそういう機会があれば、伺ってみるのもよいかもしれません。ワイワイとお話しを聞ければ、敷居も低くなり、ご理解頂けると思います。
また、葬儀が終わると、弔問客へのお礼や、お香典の管理、役所への届出、仏壇やお墓の手配などなど、まだまだやらなければならないタスクが多数ありますので、事前に「こういうことがある」ということは理解しておくべきだと思います。特に、例えば故人が地方の方であったりすると、亡くなって初めて現地に赴いて段取り進めないといけないというようなこともよく伺います。そのような際にも非常に有益だと考えます。
事前相談については、藤波さんのような葬儀会社や互助会、JA葬儀などでご相談に乗っていただけます。
いかがでしたでしょうか。なかなかまとまりきれず大変申し訳ありませんが、「そろそろ考えておかないとな」というような方にすこしでもお役にたてたようであれば幸いです。
代表の藤波さん、本日はお時間頂きまして、ありがとうございました。