[八潮の企業Pickup特集]株式会社ワイ・エス・エム

株式会社ワイ・エス・エムさんは、八潮市で照明器具や建築金物の企画・設計・製造・販売をされている企業です。
現在、本社・工場は共和橋のたもとに近い2丁目の地にあります。

完成度の高い照明の製品で世界的な賞も受賞されており、ワイ・エス・エムさんのつくる非常に美しくて且つ実用的にも役に立つ光は、国内外で高い評価を受けています。

株式会社ワイ・エス・エムさん本社工場 株式会社ワイ・エス・エムさん本社工場

iF Design Award 2019受賞 iF Design Award 2019受賞

創業と企業の経緯について

創業と企業の経緯について代表取締役の八島哲也さんにお話しをお伺いいたしました。

墨田区にヤシマ照明製作所という八島さんのご祖父様が75年ほど前に創業した会社があります。
現在はお父様が社長をつとめていらっしゃるそうです。
八島さんの叔父様がヤシマ照明製作所の敷地で同じ設備を使って建築金物を創ることからスタートしたのがワイ・エス・エムさんのスタートだったよう。
リーマンショックから建築金物の具合が悪くなり、その頃付き合っていたデベロッパー、ゼネコン、インテリア事務所などに特注照明を提案していくことに。
そうして建築金物から、だんだんと照明の製造に移っていきました。

その後ワイ・エス・エムさんは、導光板という平面を均一に発光させる技術を先駆的に取り入れ、特注で製造していきます。JR九州の観光列車などをデザインするインダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治さんの事務所と交流を持つようになり、クルーズトレインとして名高い「ななつ星」をはじめとする列車の照明の製造に携わるようになっていきました。

観光列車の導光板 観光列車の導光板

2017年になるとワイ・エス・エムさんは、一般の方にも喜んでもらえる照明を作りたいと考え、自社ブランド「Y.S.M PRODUCTS」を立ち上げ、少しずつ国内外にて自社ブランド製品の販売を始めることに。

1992年に創業したワイ・エス・エムさんは2010年4月になると、広さ、交通の便、価格などを考えて私たちの街、八潮に移転されてきました。
2010年10月には、現在の代表取締役の八島哲也さんが社長に就任されました。
先代が亡くなられてからの急なことでしたので、請求書の意味も分からないままの船出でであり、最初は大変な想いをされたそうです。
しかしながら、中学校からの親友でもある従業員の方やご家族に支えられて、なんとか今までやって来られたとのことです。

そうして引き継がれた会社は、今や数多くのデザインアワードを受賞し、日本から世界へと羽ばたいています。

企業としては、2017年に渋沢栄一ビジネス大賞※1も受賞。

※1 渋沢栄一ビジネス大賞
新規性・独創性などにあふれる新たな事業展開や、革新的で将来性のある優れた技術・製品開発に取り組む企業を表彰する埼玉県の賞

箱根海賊船クイーン芦ノ湖の照明 箱根海賊船クイーン芦ノ湖の照明

得意分野は「金属加工を主とした意匠性の高い特注照明器具の製造」というように、自負されています。

八潮市民として嬉しいのは、Y.S.M PRODUCTSはMade in YASHIOを謳っておられることです。
「できることなら八潮を照らせるような存在でありたい」と語る八島さん。
このような志の高い企業が八潮市からの発信を明言していることは、本当に喜ばしいことですね。

ワイ・エス・エムさんは、質の高い製品を作る大きい視野にだけ専念するのではなく、制作の段階で出たごみや材料の分別をしたり、照明をスイッチ方式にして節電したり、電気の見える化をしたり、LEDの照明を作ったり、足元のできることからコツコツと地球環境のことも考えて行動されています。
そのようなスタンスをお持ちということは、地に足がついていてたいへん誠実で信頼できる企業さんという印象ですよね。

DFA2018受賞 DFA2018受賞

DIA2018受賞 DIA2018受賞

代表となる製品について

導光板

ワイ・エス・エムさんの代表となる製品の一つが冒頭でご紹介した、導光板です。
導光板は、先駆的に取り入れられた技術でつくられた、平面を1cmほどで均一に発光させることが出来る製品です。
何か新しいことを取り入れようと先代の社長さんが考え開発されました。
JR九州のななつ星をはじめとした観光列車に採用されています。

ワイ・エス・エムさんの代表となる製品の一つ導光板 代表となる製品の一つ導光板

NIGHT BOOK

NIGHT BOOKは、導光板の技術を一般の方にも使っていただけるようにデザインした本型の照明です。
ブックカバーから本を引き出すことで光を引き出せる、空間を詩的に変える1冊の照明となっています。
iF Design Award 2019受賞、DFA2018受賞、DIA2018受賞、JCDプロダクトオブザイヤー2021グランプリ受賞など多くの賞で評価されている、話題の製品であり、パリのルイヴィトンミュージアムなどで販売されています。
八潮市から生まれた製品がルイヴィトンミュージアムで販売されているとは、何とも誇らしいことです。

ワイ・エス・エムさんの代表となる製品の一つNIGHT BOOK 代表となる製品の一つNIGHT BOOK

and-on

and-onは埼玉県の小川和紙を使ったスタンド照明。
和紙と光はとても昔からある組み合わせですが、「和」という照明ではなく現代のライフスタイルに合わせたモダンな和紙の照明を作りたい、との想いで誕生しました。
埼玉県の伝統工芸とコラボレーションしたいということで製品化されたそうです。
小川和紙は、郷土かるたの「お」の札で「折り鶴に願いを込めて小川和紙」とうたわれるほどの、伝統産業として有名な手漉き和紙です。
この、and-onはiF Design Award 2021受賞、JCDプロダクトオブザイヤー2022準グランプリ受賞など、数々の評価を受けており国内外様々な場所で販売が進んでいます。

ワイ・エス・エムさんの代表となる製品の一つand-on 代表となる製品の一つand-on

製作の困難や生みの苦しみ

それは、デザイナーの意見と、製造側の意見との落としどころだと、八島さんは教えてくださいました。

多くの賞を獲られている八島さんでも、やはり悩まれることがあるんですね。

デザイナーさんと製造側で意見が食い違うのは、立場や見ているものやゴールが違うからもっともなこと。
それをどうやって、お互いが納得できるポイントを探すことができるのか。もっといろいろ、深くお伺いしてみたいです。

どのモノづくり企業にもある「生みの苦しみ」と乗り越えた方法。
特にワイ・エス・エムさんのように、意匠性の高い先の方まで神経が通った製品の美しさを生み出す場合、ドラマチックなエピソードがきっとおありなんだと想像します。

制作風景 制作風景

「大切なひととき」を作る光

八島さんは、ご自身の製品について
「天井の照明を消して、当社の照明を照らしてもらうことで、いつもの家族の会話が少し違うものになったり、いつもの食事やお酒が少し美味しく感じたり、いつもより安らげたり。そんな『大切なひととき』を作りたいときに使って欲しいです」とおっしゃっておられました。

「照明と言ったら八潮にあるYSM」と言われるような会社を目指していらっしゃるそうです。

「世界中どこにいても日が昇れば明るくなり、日が沈めば暗くなり明かりを灯す。光とはとても普遍的なものだ」
八島さんは、海外でデザインアワードや、海外のバイヤーから注文を受けたりした際に、当たり前のことですが強く実感したそうです。

海外では会社の規模やブランド力などはあまり関係なく、商品や光の質だけをフラットに判断してくれるとのこと。
照明は光の当て方や、光の強さ、光の色を少し工夫するだけで、その場の雰囲気をガラっと変えることが出来ます。
そしてそれは人の感情も変えることが出来る・・・。

「私達が作る光で世界中の人の『大切なひととき』を作ることができるかもしれない。と実感したときに、そんなモノ作りができる会社はとても社会的だと感じました。」
ワイ・エス・エムさんの製品は、世界中のひとたちに温かい幸せな時間をもたらすものとなることでしょう。

代表の八島さん 代表の八島さん

今後の展望

ワイ・エス・エムの皆さんは、関わる社員の方々やご家族、協力会社さんやお客様、地域の方たちを「照らし続ける会社」としてありたいという想いを胸にモノづくりをされています。

ワイ・エス・エムさんの制作風景 制作風景

そんな想いを胸に今後も、自社商品で企業としての認知を高め、特注の照明に繋げていくことを考えておられるそうです。
また特注の技術を自社商品で活かした新しいプロダクトを開発し、アワードや見本市などの海外展開を行っていくことでさらなる認知を高め、
「ワイ・エス・エムの照明を使いたい!」と思える人を増やして行きたいとのこと。

それから、ワイ・エス・エムさんの光を感じられる場所(BARなど)を作れたら良いなとも考えておられるそうです。
たくさんの夢や希望にあふれていらして、企業としての行く末が楽しみですよね。

特注照明 特注照明

【異業種コラボ集団】DekiTechさんについて

八島さんは、【異業種コラボ集団】DekiTechさん※2に参画されています。
このDekiTechさんというのは八潮市だけではなく、埼玉県東部の町工場が集まってそれぞれの技術をコラボレーションし、夢を語らい実現する異業種集団です。
八潮市からは3社が参加されています。

※2 【異業種コラボ集団】DekiTech
DekiTechについて詳しくはこちら

八島さんは、作っている自分たちだけではなく、エンドユーザーはもちろん、卸売りの販売店など関わる人達が全て幸せになるようなモノづくりをするという想いでDekiTechの皆さんとともに活動されています。
DekiTechという場所は、今までワイ・エス・エムさんが行ってきた展示会などのマーケティングとは全く違う、SNSマーケティングなど、自社だけではわかりえなかったことを学んで楽しめる大切な存在とのことです。

ぜひ、皆さんも【異業種コラボ集団】DekiTechの活動を覗いてみてください。
DekiTechについて詳しくはこちら

株式会社ワイ・エス・エムさんについて

株式会社ワイ・エス・エムさんについて 株式会社ワイ・エス・エムの皆さん

八島さんに今回企業の経緯や、製品製作の姿勢など、いろいろなお話をお伺いし、改めて心を打たれました。こんなにも、多くの評価を国内外で多く受けているにも関わらず、まだ前を向いて高みを目指して歩んでおられるその姿勢。

「ものづくりのまち 八潮」と公言している八潮市においても、ものづくりの企業の皆さんにとっても、心強い存在であることは間違いありません。

まさに、ワイ・エス・エムさんが作られる光は、八潮市に明るいモノづくり業界への光の一つとして差し込んでおられることでしょう。
一市民として、これからもぜひ八潮市でのますますのご活躍をお祈り申し上げます。

ワイ・エス・エムさんの製品は、生み出されたあと、BtoBの場合はYSM→企業。BtoCの場合はYSM→販売店or卸し→ユーザー。DtoCの場合はYSM→ユーザー
というように、それぞれの場所へ届けられます。

皆さんもぜひ、素晴らしい商品の数々をお手に取ってみてはいかがでしょうか。
あなたの『大切なひととき』を作りたいときにぜひお勧めです!

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ワイ・エス・エムさん、お忙しい中取材させていただき誠にありがとうございました!

会社名:
株式会社ワイ・エス・エム
業務内容:
LED照明、LED導光板、FFLP、建築金物、サイン、特注照明、その他金属加工、デザイン企画、設計、製造、施工及び販売
所在地:
〒340-0811 埼玉県八潮市2丁目342-1
TEL/FAX:
048-998-3610/048-998-3615

株式会社ワイ・エス・エム
ワイ・エス・エムさんのページはこちら

★お問い合わせ際にはぜひ「八潮市ちゃんねるを見て」とおっしゃってください♪

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